Wayback Machine(ウェイバックマシン)とは?
「Wayback Machineとは一体どういったものか」ITやWebマーケティングに携わる方の中にも知らない方が多いようです。
本記事では、Wayback Machineについて紹介します。
この記事を読めば、Wayback Machineの使い方やWayback Machineを活用したSEO施策についてもわかるようになります。
自社サイトの検索順位を上位に表示させたい方は、競合サイトの調査をする際などSEO対策にWayback Machineを役立ててみましょう。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)とは
Wayback Machineとは、「世界中のデジタル情報を自動的に保存している非営利法人Internet Arcive(インターネットアーカイブ)が運営する検索ツールのこと」です。
運営団体であるインターネットアーカイブは、1996年に米国サンフランシスコで設立されました。
「世界中の人々がデジタル形式で保存された歴史資料を使えるようにしたい」という創設者Brewster Kahle(ブリュースターケール)の思いがサービス提供の始まりです。
そのため、運営にかかる費用は寄付でまかなわれています。
そんなWayback Machineは活用することで、保存されている過去のWeb情報を誰でも無料で閲覧することができます。2023年1月時点で、Wayback Machine に7810億以上のWebページを保存しているほどです。
また、Wayback Machineを使ってできることは他にもたくさんあります。下記の通りです。
・Webページの保存や確認
・消失してしまったデータの確認
・取得した中古ドメインが昔スパムなどの悪質な行いをしていなかったかどうかの確認
このように、Wayback Machineは活用することで過去のWebページを閲覧したり保存したりできる便利な検索ツールです。
今やその利便性の高さが世界中の人々の役に立っており、インターネット上の図書館となっています。しかし、1996年以前のWeb情報は保存されておらず、閲覧できないので注意が必要です。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)の使い方
Wayback Machineを使えば、過去のWebページも閲覧できますが、閲覧するには保存されているかどうか確認したいWebページを検索しなければなりません。
検索の仕方は3つあります。Wayback Machineを使う際は、次のいずれかの方法でWebページを検索しましょう。
・URLで検索する
・キーワードで検索する
・画像や動画コンテンツで検索する
以下では、詳しく解説します。
URLで検索する
閲覧する過去のWebページをURLで検索する際は、まずインターネットアーカイブやWayback Machineのトップページに表示されている検索窓に閲覧したいWebサイトのURLを入力しましょう。
すると、日付が色のついた丸い円で囲われているカレンダーが表示されます。
円の色は青・緑・オレンジ・赤の4色からなり、色による意味の違いは下記の通りです。
青
サーバーへのリクエストが成功したとき
緑
サーバーへのリクエストがリダイレクトされたとき
オレンジ
クライアントエラー
赤
サーバーエラー
このように、過去のWebページはURLを入力して日付をクリックすれば閲覧でき、円の色によって多少の違いはあります。
とはいえ、円が赤色でも閲覧できる場合が時々あるため、円の色に関わらず閲覧したい日付を選びましょう。
キーワードで検索する
閲覧する過去のWebページをキーワードで検索する際も、まずインターネットアーカイブやWayback Machineにアクセスします。
そして、トップページに表示されている検索窓に閲覧したいWebサイトのURLを入力しましょう。
次に、一覧で表示されるURLやサムネイルの中から閲覧したいWebページのURLかサムネイルのどちらかをクリックすると、カレンダーが表示されます。
以降の流れはURL検索と同様なので、上述した流れを参考にしてください。
このように、閲覧する過去のWebページはキーワードで検索することもできます。なお、全文検索はできないので注意が必要です。
画像や動画コンテンツで検索する
Wayback Machine はWebページだけでなく、書籍・動画・音声・ソフトウェア・画像の情報も収集しています。
そのため、閲覧する過去のWebページを画像や動画コンテンツで検索することもできます。
サービスが提供されてしばらくは主にWeb情報を集めていましたが、最近は本や動画、音楽といった幅広いコンテンツもが収集し、データベースに保管しています。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)にはどれだけ保存されている?
Wayback Machine には、莫大な量のアーカイブが保存されています。
そのデータ量は、2019年時点で40ペタバイト以上にも及ぶと言われているほどです。
そんなWayback Machineのデータ保存量は、Webサイト単位で見ることもできます。
たとえば、Wayback Machineの検索結果にSaved 68 times between Novemver 30,2012 and November 29,2022と表示されている場合、2012年11月30日から2022年11月29日までの間に68回アーカイブが保存されたことを意味しています。
このように、Wayback Machine莫大な量のデータを保存しています。
しかし、Webサイト単位で見た場合には検索したWebページによってアーカイブの量に違いがあり、保存されている量がそれほど多くないこともあるため一概に言えません。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)への保存方法
Wayback Machineへの保存方法は、大きく分けて次の2つがあります。
・自動保存
・手動保存
以下では、詳しく解説します。
自動保存
自動保存による方法は、Wayback Machineのクローラーによって自動で収集されています。
保存が自動で行われている分、収集にも時間がかかるので注意が必要です。
実際、Webページが収集されてからWayback Machineで閲覧できるようになるまでに3~10時間かかると言われています。
このように、自動保存ではデータが自動的に集められるため、ユーザーが何か特別な設定をする必要はありません。
しかし、保存されるデータは完全にランダムで、データの保存が行われるタイミングがユーザーにはわからないのが難点です。
そのため、絶対に保存したいデータがある方は、自動保存されるのを待つのではなく、自分で手動保存しましょう。
手動保存
Wayback MachineにWeb情報を保存する方法は、自動保存だけではありません。
手動で保存することもできます。
Save Page Nowと呼ばれる機能の検索窓に、保存したいWebページのURLを入力して「SAVE PAGE」をクリックすれば、特定のページを収集してもらえるようにお願いすることができます。
最後に「Page saved as “URL”」と表示されれば登録完了です。
また、実際にページが現存するのにも関わらず、リンクの遷移先のページが保存されていない場合に、ページの保存を促すリンクが出現します。
Wayback Machineに保存しておきたいWeb情報がある方は、手動で保存してみましょう。
クローラーが自動で保存してくれるのに任せるのではなく、自らの手で保存するのも1つの手です。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)のページ削除方法
ここまで、Wayback Machineの保存について見てきましたが、Wayback Machineは実は保存だけでなく削除も行うことができます。
ページ削除をするには、以下の2つの手順を踏みましょう。
まず、「info@archive.org」というメールアドレス宛にWayback Machineから削除したいWebページのURLを添えてメールを送信します。
ただし、メールの文章は英語で書かなければならないので注意が必要です。
そのため、Wayback Machineの運営元であるインターネットアーカイブに削除を依頼する際には、下記テンプレートの使用をおすすめします。
Please delete my site(削除したいWebページのURL) from Wayback Machine.
次に、インターネットアーカイブからきた返信に対し、サイトの所有者であることを証明できる情報を提示しましょう。
以上で、保存されてしまったWebページをWayback Machineから削除する手続きが完了しました。
このように、Wayback Machineはインターネットアーカイブとメールのやり取りをして、サイト所有者であることが認められれば、「保存されたWebページの情報を掲載しないでほしい」と削除を依頼することができます。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)を活用したSEO施策
Wayback Machineは、過去に保存されたWeb情報の閲覧だけでなく、SEO対策にもなります。具体的には次の2つです。
・検索順位の分析
・競合調査
以下では、詳しく解説します。
検索順位の分析
Googleを始めとする検索エンジンの検索順位は、コンテンツ投稿後に、加筆や修正を行うことで、ランキングが変動することがあります。
そのため、リライトによって自社サイトや他社サイトの順位に上昇あるいは下降といった変化が見られた場合に、Wayback Machineに保存されたページの更新する前と後を見比べることで、「何が検索順位に影響したのか」を知ることができるのです。
このように、Wayback Machineは上手く活用することで、検索順位の分析ツールへと姿を変えます。
競合調査
競合を分析する際、Wayback Machineの「Changes機能」を使えば、他社サイトの過去と現在を比べられます。
削除された部分は黄色で表示され、追加された箇所は青色で表示されるため、競合サイトが検索順位における上位表示化やCVの増加といった目標達成に向けて「ページのどこを更新したのか」が一目瞭然となります。
このように、Wayback Machineは自社サイトだけでなく、他社サイトを分析するツールとしても役立ちます。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)の注意点
Wayback Machineを使う時に1つ気を付けなければならないことがあります。
それは、「Webサイトのすべてのページを閲覧することはできない」ということです。
インターネット上には、膨大の数のWebサイトが存在しています。
しかし、なかにはIDやパスワードが必須といった理由で、Webページを巡回するWayback Machineのクローラーが収集できないページも存在するのです。
このように、Wayback Machineは過去のWebページの閲覧やSEO対策にも役立つため非常に便利ですが、なかには保存できないWeb情報もあるので使用する際には注意しましょう。
まとめ
今回は、Wayback Machineについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
Wayback Machineとは、「世界中のデジタル情報を自動的に保存している非営利法人Internet Arcive(インターネットアーカイブ)が運営する検索ツールのこと」です。
使う際には、URL、キーワード、画像や動画コンテンツを入力して閲覧するWebページを検索しましょう。
実際に保存されているデータ量は、2019年時点で40ペタバイト以上にも及ぶと言われているほどです。
そんなWayback Machineは保存方法が、自動保存と手動保存の2つ存在しますが、削除も行うことができます。
さらに、うまく活用すれば、過去のWeb情報の閲覧だけでなく、検索順位の分析や競合調査といったSEO対策にもなります。
しかし、Webサイトのすべてのページを閲覧することはできないため、活用するときには注意してください。
自社サイトを検索上位に表示させることで、集客やCV(コンバージョン)を増加させたい人は、Wayback MachineをSEO対策に役立ててみてはいかがでしょうか。
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